過去3年間の経緯

 発掘体験講座は、中央大学文学部考古学研究室の実習を兼ねて行われています。平成26年から28年までは、市内滝坂遺跡の生産緑地の一部を作物収穫の合間に一時的にお借りして、10月終わりから11月上旬までの約3週間の期間中、学園祭など授業が休みの合間をぬって、3年間で約237uの調査を実施しました。

 滝坂遺跡のこの地点は、縄文時代中期後半(約4,500年前)と古墳時代初頭(約1,700年前)頃にムラがあったことが推測されていましたが、今回の調査にあたっては、この集落がどれくらいの期間存続し、どこでどのような作業が行われていたのか?その詳細を探るための資料を得ることを調査の目的のひとつとしています。平成26・27年の調査では、明確な住居跡が発見されていませんでしたが、28年度の調査によって縄文時代中期後半の住居跡2軒が発見され、同時期の土器、石器等が沢山発見されました。

 3年間の調査によって発見された主な遺構・遺物は次のとおりです。
1 縄文時代中期後半住居跡2軒
2 縄文時代土坑・ピット等
3 古墳時代初頭土器
4 この他縄文時代早期の土器、中期前半の土器、後期の土器、古墳時代後期の土器、奈良〜平安時代の土器、近世の土器、近代の陶磁器類などが出土しており、繰り返し何度も、この地が利用され続けていたことが窺われます。

▲ 平成28年に発見された住居跡の埋甕(まいよう)

 

平成28年度調査後に撮影した調査区の空中写真