平成29年度の発掘調査

 今回の発掘体験ワークショップでは、三鷹市内の縄文中期の集落跡を調査しました。
 

 縄文時代の地層は、私たちの足元からほんの数十センチほどのところに埋まっています。調査では、あらかじめ表土を除去しておいた後に露出させた、縄文時代の地層を移植ごてで少しづつ掘削し、発見した土器や石器の記録を取る作業を行いました。
 

 ガイダンスで習った通り、小さな石器などの破片も見失わないため、一度に土を掘りすぎないよう、よく研がれた移植ごてで、土を薄く削り取るように作業を進めます。今回は、薄さ1mmに満たないような黒曜石のかけらを発見した参加者もおり、ここで石器製作を行った可能性があることもわかりました。

 発見した遺物は、すぐには取り上げず、出土位置の目印に竹串を刺して、出土位置の三次元の記録を残します。どのような遺物がどこから、どんな状況で出土したかを記録し、そこがどのような場所であったかを、後で調べるためです。発掘調査は、宝探しではないのです。
 とはいえ、大きな土器や、きれいな石器が見つかると歓声が上がります。今回はとても珍しい縄文時代の耳飾りを掘り出した参加者もいました。今回の3日間の発掘調査で出土した土器や石器は700点余りに及びました。

 

 

▲ 遺物の出土地点に竹串を刺しながら慎重に掘り進みます。出土地点はサポートの学生さんが、1点1点測量して記録を残しました。

 

発見した遺物を小林教授に鑑定してもらっています

 

▲ついに縄文時代の耳飾りを発見!