年 齢

1 頭骨縫合
誕生時のヒトの頭骨は45に分かれており、加齢と共に縫合します。縫合の度合いから、年齢を推定することができます。


2 歯のすり減り方
成人では上の片側に8本づつ、上下で32本の歯があります。歯のすり減り方で年齢推定が可能ですが、例えば縄文人など、歯を道具として使う時期や地域では、30歳位で歯冠までがなくなっている例もあります。一方江戸時代の将軍家では、柔らかいものを食べていたことから、老年期でも歯の咬耗がほとんどみられない例もあります。

3 長い骨の骨端線
生まれた時は離れている骨端は20〜24歳がくっつく目安です。

4 肋骨端・骨盤の関節
加齢により進行する縫合の度合いが、年齢推定の一つの根拠になります。

5 恥骨結合
年齢推定の最も重要なポイントは恥骨結合です。若いときはデコボコしている接合面が平らになります。±5歳くらいの幅で年齢の判断が可能です。

性 別

 1 男性は眉間が隆起している。

 2 男性は乳様突起が発達している。

 3 女性は後頭部が丸みを帯びている。

 4 女性の寛骨は出産に備えて骨の大きさに比べて空洞が大きい。


 5 寛骨下の角度
男性は人差し指と中指を広げたくらい。
女性は親指と人差し指を広げたくらい。

性別判断の決め手は寛骨。


身 長

 縄文時代から現代までの日本人の身長の推移をみると、現代に次いで身長が高いのは古墳時代で、江戸〜明治にかけて低くなっています。
 三鷹の横穴墓出土人骨の平均身長は男性が159.6cm女性が147.9cmと全国平均よりは少し低めですが、市内出土の江戸時代人骨の平均身長(男性154.4cm女性142.4cm)を上回っています。



蹲踞姿勢(そんきょしせい) かかとをつけた状態でしゃがむ姿勢
 蹲踞姿勢で作業などを続けていると、すねの骨(脛骨・けいこつ)やくるぶしの骨(距骨・きょこつ)にくぼみ(圧痕)ができます。
 日本では縄文人〜現代人まで、多く蹲踞による骨の変形がみられます。
 縄文時代の土偶には、蹲踞姿勢をとるポーズがあるため、縄文時代から一般的なポーズだったことがわかります。ただし現代では蹲踞ができない日本人が増えているといわれています。
(写真は発掘調査中の蹲踞姿勢)

  肘関節石臼引きなどの行為に伴う骨の変形

 若いころに「石臼引き」を継続的に行うことにより、肘関節の上にある橈骨窩(とうこつか)が明瞭に形成されます。縄文時代〜近代までの人骨に少量みられるものです。