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新企画 横穴墓の被葬者の身体測定!?目次へ戻る
 
第2部 骨からわかる生前の姿

(3)骨の「身長測定」
 体の骨の1つ1つと、その人の身長は無関係ではありません。特に太ももの骨(大腿骨:だいたいこつ)の長さは、身長と密接な関係にあります。ということは、遺跡で発見された人骨についても、大腿骨の長さが計測できれば、かなり正確に身長を推定することができるのです。
 そこで!これまで三鷹市内の遺跡で発見された人骨のうち、身長が推定できた方々(?)による「せいくらべ大会」を開催しました。
 古墳時代の横穴墓の人骨に加え、天文台構内遺跡で発見された江戸時代のお墓に埋葬されていた人骨にも参加いただきました。
天文台構内遺跡の土葬墓(どそうぼ)

 平成11年度に行われた発掘調査で、149基の土葬墓がまとまって発見されました。江戸時代後半の17〜18世紀に造られたお墓で、55体の埋葬人骨と古銭、陶磁器類、煙管(きせる)などが発見されました。当時の共同墓地のようなものと考えられています。
                 詳しくはこちら⇒ 大沢の遺跡1

 「せいくらべ大会」の結果、平均身長では古墳時代の横穴墓埋葬人骨が、男女ともに江戸時代の土葬墓埋葬人骨を上回っています。この結果は、これまでの人類学での研究結果と同じ傾向にあり、縄文時代から現代までの身長の推移の中で、現代の次に身長が高いのは古墳時代で、最も低いのは江戸時代と考えられています。
現代日本人の平均身長は、下表の各年代の平均値から算術平均を求めました。
年齢(歳) 男性 女性
標本数 平均値 平均値の算術平均 標本数 平均値 平均値の算術平均
20〜24 1505 172.26 169.7 1408 158.45 156.8
25〜29 1669 172.09 1463 158.91
30〜34 1792 171.60 1655 158.83
35〜39 1809 171.92 1829 158.61
40〜44 1783 171.13 1795 158.10
45〜49 1701 170.61 1640 157.35
50〜54 1636 169.51 1620 156.38
55〜59 1597 167.88 1743 154.96
60〜64 1545 166.12 1777 153.57
65〜69 940 164.13 940 152.50
「文部科学省 平成19年度体力・運動能力調査調査結果統計表」を基に作成(単位:cm)