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大沢の遺跡2

〜天文台構内遺跡の発掘調査(平安時代)〜
天文台通りの拡幅工事に伴う発掘調査の成果のうち、三鷹市内では初めての発見された平安時代の竪穴住居跡2軒(4・5号住居跡)について紹介します。
 4号住居跡は天文台の裏門から30m程南の斜面に位置します。平面形は3.5m×2.8m程の長方形で、床の周囲には浅い溝が巡り、北東方向に向いたカマドがあります。カマドは崩れた状態ですが、構築に使用された粘土や川原石などが一部原型を留めていて、焼けた土や灰も残っていました。カマドの周囲では土師器・須恵器の破片が多く出土しました。これら土器は平安時代のもので、煮焚き用の甕や飲食用の碗など日常生活の器です。
 5号住居跡は天文台の正門から120 m程南の斜面に位置します。4号とは400 m以上も離れています。平面形は4.0m×2.5m程の長方形で、やはり溝が巡りますが、カマドは北向きです。カマド中央には、長細い石が頭を出して埋められていて、石の表面が焼けていました。これは、煮炊きの際に甕などを乗せる台(支脚と呼ばれる)として使われたものです。出土遺物は土師器・須恵器などで、須恵器の蓋は硯に転用したもので、表面には「方」と「富」と思われる墨書が見られます。
 2軒の住居跡は共に、当時の一般的な住居跡に比べて規模が小さいものです。はたして寝起きをする住居なのか、あるいは作業小屋のような機能を持つ建物なのかが今後の重要な検討課題となりました。今回調査地の西側に広がる天文台敷地内の広範囲な遺構分布状況が明らかになれば、2軒が集落に属するのか、孤立して建っていたか、あるいはどんな機能かということもわかると思われます。
4号住居跡(左側がカマド) 5号住居跡(右上側がカマド)
大沢の遺跡3 〜天文台構内遺跡の発掘調査(縄文時代)〜